ヤエンとは、アオリイカのヤエン釣りを徹底解説!
■ヤエンってどんな釣りなの?ヤエンで何が釣れるの?
活けアジを結んだ、掛け針のついていない仕掛けに、アオリイカを乗せるヤエン釣法は、昔から行われているアオリイカの釣法です。
活きたアジを泳がせて、アオリイカを誘うヤエン釣法は、一見すると素人に難しく、マニアックな釣りと思っていました。
アジングのかたわらに、アジングで釣り上げたアジを活けエサに、ヤエンを楽しんでいます。
活けアジを結んだ仕掛けを使い、アオリイカを誘う釣りなので、難しいテクニックは不要でアオリイカのあたりも多い釣りです。
アオリイカが乗った仕掛けのラインに、掛け針(ヤエン)を通して、掛け針(ヤエン)を水中へ投入、活けアジを食べることに、夢中になっているアオリイカに、掛け針(ヤエン)を届けるまでのやり取りは、乗るか乗らないかのハラハラ・ドキドキ感があって、スリルと醍醐味のある釣法です。
このスリルと醍醐味のある、魅力的なアオリイカのヤエン釣法をご紹介したいと思います。
ヤエン仕掛けの作り方
最近は、大型の釣具店にもヤエンコーナーが出来ており、ヤエン人気が少しずつ高まっているように感じます。
ヤエンで使用する道具も工夫が重ねられ、日々進化している釣りなので、これからアオリイカの釣りを始めようとされる初心者にもおすすめしたい釣りです。
ラインの先端に結んだチヌ針に、活けアジを付けるだけの仕掛けなので、それほど難しくなく作ることができる、シンプルな仕掛けです。
仕掛けの先端に結ぶチヌ針は、アオリイカを掛ける目的でなく、アオリイカを誘うための活きたアジを、仕掛けに結ぶための針です。
活けアジを食べることに、夢中になっているアオリイカを掛けるための針(ヤエン)は、引き寄せてきたラインに、ヤエンという針の付いた道具を通して、水中目がけて投入、活けアジに抱きついたアオリイカを、掛けバリ(ヤエン)に掛けることによって、成立する釣りのため、この点が初心者がヤエンを難しい釣りと感じるポイントだと思います。
直接、ラインに活けアジを結んだ、シンプルな仕掛けでヤエンをするアングラーもいます。
アジのつけ方を含めて、ヤエン仕掛けを図解しますので、参考にしてください。
ラインに結んだチヌ針にアジを付ける時は、アジのゼイゴと呼ばれる尻尾の部位にチヌ針を打つ仕掛けが、活けアジが弱りにくくおすすめです。
ヤエンに使用するロッドは、1.5号~2号の4.5m~5.3mの磯竿を準備しましょう。
初期投資を抑えられるので、中古ロッドでヤエンを始めても良いと思います。
1.5号の磯竿は、穂先が柔らかく、活けアジを投げる時に心許ないので、アジの遠投がしやすい、少し硬めの磯竿2号あたりが初心者に使いやすいロッドと思います。
ロッドの長さは、5m以上は、取り回しが悪くなるので、4.5m程度の長さのロッドが扱いやすくおすすめの長さと思います。
リールは、ドラグ調整をリールの後ろに搭載したダイヤルで調整できるヤエン専用のスピニングリールも発売されています。
2号程度のフロロカーボンラインを150m~200m程度巻くことができる、2500~3000番台のスピニングリールであれば、ヤエンの使用に問題ないと思います。
リールのドラグを調整しやすいスピニングリールがおすすめです。
リールに巻くラインは、フロロカーボンラインであれば、水に沈みやすい特徴を活かして、活けアジが泳ぎ回るのに都合が良いラインです。
水に沈みやすい特徴のフロロカーボンラインは、水深のある場所や風の強い日におすすめです。
フロロカーボンラインは、底に障害物が多い場所や浅場では、沈みやすいフロローカーボンの特性が、根掛りに繋がる事があること。糸癖がラインに付きやすい点もウィークポイントと思います。
糸癖を軽減したヤエン専用のラインもラインナップされているので、使いやすいラインを探して見ましょう。
ナイロンラインは、ラインの強度は、フロロカーボンラインにおとりますが、ナイロンラインのしなやかな特性は使いやすく、ラインに伸びがあるので、アオリイカを掛けた際にタメがきくことにアドバンテージがあります。
さらにナイロンラインは、値段も手頃で入手しやすいのも嬉しいポイントです。
フロロカーボンラインが使いずらい時は、ナイロンラインの使用をおすすめします。
最近は、PEラインをヤエンに使うアングラーも増えていると思います。
PEラインは、強度が他のラインに比べて強く、春のキロアップのアオリイカの引きに、細いラインで対応できる点、ナイロンラインと違い伸びがほとんどないので、アタリがダイレクトに伝わってくるという利点があります。
PEラインは、軽いので風に流されやすく、風の強い日、深場のポイントでの使用は、使いずらいと思います。
PEラインに比重があって、水に沈むPEラインも発売されています。
慣れてきたらPEラインの使用もおすすめします。
値段はそれなりにするので、まずは、フロロカーボンラインかナイロンラインから選ぶと良いと思います。
ヤエンに使うラインの号数は、2号程度のフロロカーボンラインを150m~200m巻いておくと安心です。
ナイロンラインであれば、+0.5号した号数のナイロンラインを選ぶと強度不足の心配がなくなります。
太いラインの使用は、活けアジの負担になると思いますので、釣り場の形状(磯場や藻場が多く根掛のしやすい場所など)に合わせた、ラインの号数を選択できると良いと思います。
秋は、1キロ以下の新子の釣りになるので、1.25~1・5号のフロロカーボンラインを使うアングラーも多いようです。
春は、キロアップの親イカを狙うので、2号以上のフロロカーボンラインを150m~200mほど巻いておくと安心です。
ヤエンにアオリイカを掛けるまでの手順を解説
仕掛けに活けアジをつける時は、人の体温でアジをつかむとアジが弱るので、手をアジの活かしバケツの水につけて、水温と同じ温度になるまで手を冷やしてからアジを触るようにします。
アジの活かしバケツからアジを取り出すときは、小さなアミを利用します。
アジには、少しぬめりがあるので、手からすり抜けやすいですが、手で押さえてアジの尾に向かって伸びるゼイゴに針を打ってアジを付けます。
アジを仕掛けにつけることが出来たら、海へ投げ入れて、アジが海水温になれるまで、足元近くでアジを泳がせましょう。
アジが海水温に慣れて、落ち着いたら狙ったポイントへ竿を振って、アジを投げて投入します。
アジを水から出している時間をできるだけ短くするため、手早くアジをポイント目がけて投入しましょう。
アオリイカのいるポイントは、藻が多い場所や潮と潮のヨレて波がたっていないような場所にエサとなる小魚が溜まるので狙い目のポイントです。
アジの投入は、アジが着水するタイミングでラインをサミングし静かに着水してあげることで、アジへのダメージは少なくて済みます。
リールのドラグは、ラインを引いた時に、ラインが出ていくまでドラグを緩めておきます。
後は、アオリイカが活けアジに掛かるまで置き竿をして待ちましょう。
ロッドを置き竿することができる三脚とロッドホルダーを準備しておくと便利です。
フロロカーボンラインを使用する時は、アジが藻へ潜り、根掛を起こす可能性が高くなるので、5分置きにラインのフケを取りながらできるだけラインを張っておくようにすると良いと思います。
アオリイカのあたりは、ラインがたるんだり、ラインを引くような動きは、アオリイカがアジを追いかけ、アジが表層や深みへ逃げている可能性があります。
しばらくして、いきなりラインが走りだし、ドラグを緩めたリールからラインが出ていくあたりに変わります。
アオリイカがアジに致命傷を与え、アジを動けなくしてからアジを抱いている状態。
ここまで早くて2、3分、平均5分ぐらいが目安です。
ここで慌ててラインを引くと、違和感を覚えたアオリイカ警戒し逃げる可能性が高いため、ラインが出してから5分くらいは辛抱して待ちましょう。
ラインが出るのが止まると、アオリイカがアジを食べることに夢中になって、魚を抱き込んで本格的に食べ始めた合図です。
この状態で竿をゆっくりと引いて、アオリイカがアジを抱いていることを確認しましょう。
アオリイカ独特のグィー、グィーと引くあたりは、アオリイカがアジを抱いている証拠です。
この状態は、針に掛かっていないアオリイカがアジを抱いている状態です。
ヤエンを投入するまでは、アオリイカは、針にかかっていませんので、慎重にアオリイカを寄せてきます。
合わせや無理な引きを入れず、アオリイカに警戒心を与えないように、ゆっくり、ゆっくりと、同じテンションをラインにかけながら、リールを巻いてアオリイカを岸へ寄せて来ましょう。
アジを食べることに夢中になっているアオリイカは、アジを逃がさないようしっかりとアジを抱いて、グィー、グィーと引っ張ってくるはず。
この間のやり取りがヤエン釣りで最も緊張します
この緊張感やハラハラ・ドキドキ感を知ってしまうと、ヤエンが楽しい釣りで、ヤエンが好きなアングラーが多いことが分かると思います。
ヤエンを投入するタイミングは、アオリイカを引き寄せて来る前からヤエンを投入しているアングラーもいれば、しっかりと手前まで引き寄せてきてから、ゆっくり、落ち着いて、ヤエンを投入されるアングラーもいます。
ヤエンの投入タイミングは、セオリーがないため、経験により、タイミングを図ることになると思います。
目安は、竿先から水中に入っていくラインの角度を見て、水面から30~45度ぐらいになったタイミングがヤエンを投入しやすい角度と思います。
アオリイカを引き寄せて、竿先と水中に向かうラインの角度が30~45度ぐらいになったら、竿を後ろへ倒しながらラインを手繰り寄せ、ライン掴んで、ヤエンをラインに装着します。
ヤエンをラインに装着したら水中に向かって、ロープウェイのようにラインにヤエンを滑らせて、水中へ投入しましょう。
ヤエンを水中に投入できたら竿を立てながら、ヤエンをアオリイカまで届けましょう。
ヤエンがアジに届いたタイミングで、ヤエンが跳ね上がり、ヤエンの先端についた掛け針にアオリイカが掛かれば、ヤエンの投入は成功です。
成長した春の親イカは、秋の新子に比べて、アオリイカの足に針が刺さりにくいので、少しロッドに力をかけて、しっかりとヤエンをアオリイカにフッキングさせると、アオリイカをバラスことが少なくなると思います。
アオリイカに掛け針(ヤエン)がしっかり、フッキングできた後は、ラインにテンションを掛けながらアオリイカを手前まで引いてきます。
春イカなど、大きく成長したアオリイカは、無理に持ち上げるとアオリイカの体の重さで、身切れを起こす可能性があるので、玉アミやアオリイカ用のギャフを使ってアオリイカを取込みます。
足側から玉アミやギャフを入れると、驚いたアオリイカが逃げようと後ろ、後ろへ進むため、アオリイカを取り込む際は、背後から玉アミやギャフを入れて、アオリイカを取り込むのことがセオリーです。
アオリイカのヤエン釣りの解説は、ここまでですが、アジングなどの合間に、ヤエンを楽しむこともおすすめです。
エサとなる活けアジは、釣具店で販売もされていますので、活けアジを手に入れることは困らないと思います。
また、活けアジをサビキ釣りで釣ってから、アオリイカのエギングをされるアングラーもいます。
アジを活かしておく、アジの活かしバケツが販売されています。
活けアジを購入される際は、アジの活かしバケツにアジを入れて、釣り場へ持ち運びましょう。
アオリイカの釣れるシーズン
アオリイカの一生は、1年と言われています。
春になると冬場に沖で親イカに成長したアオリイカが産卵のため、アマモやホンダワラのある磯場や護岸、漁港などに接岸してきます。
■アオリイカのシーズン早見表
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
△ | △ | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | △ | △ | ◎ | ◎ | ◎ | △ |
地方により異なりますが、3月頃~6月頃に冬に沖で大きく成長したアオリイカを陸っぱりから狙うことができるシーズンになります。
この頃のアオリイカは、全長が70cm~80cm(2kg)にもなり、親イカに成長したアオリイカを陸っぱりから狙うアングラーで賑わいます。
7月頃~8月頃にアマモやホンダワラに産卵された卵から生まれたアオリイカが、潮通しのよい堤防や護岸のある漁港、ゴロタサーフ、磯場などでコロッケサイズにまで成長します。
9月頃~11月頃が初心者にもおすすめのアオリイカの数釣りが楽しめる秋のベストシーズンになります。
タックルを一通り揃えたら釣り場を探してヤエンにチャレンジしよう!
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